「脳卒中」の症状
かつては死亡原因の第1位を占めていた「脳出血」。
高血圧のコントロールが行き届くようになり、この病気による死亡者数は著しく減少した。しかし、つらい後遺症に苦しむ人の数は少なくない。
特に「くも膜下出血」は予防が難しいうえ、発症すると致死率が高いことで恐れられている。『脳出血・くも膜下出血はこうして防ぐ、治す』(講談社刊)を監修した帝京大学教授の中込さんに、病気の原因や仕組み、発作時の対処法や予防法などについて聞いた。
脳の血管に異常が生じる病気を総称して「脳卒中」と呼びます。
脳卒中には、脳の血管が詰まってしまう脳梗塞(こうそく)と、血管が破れて出血してしまう「脳出血」や「くも膜下出血」があります。
同じ出血でも、脳の内部に出血する「脳出血」と、脳の表面に出血する「くも膜下出血」では、現れる症状はずいぶん違います。
「脳出血」は、脳のどこで出血したかによって様々な症状が現れます。
代表的な症状である「半身まひ」は、出血が右脳の場合は左半身に、
左脳の場合は右半身がまひします。
次に多い症状の「意識障害」では、本人が「もうろうとする」と感じるレベルから、意識を失ってしまうケースまで、出血量によって程度に差があります。
ほかにも、「ろれつが回らない」「言葉が浮かんでこない、理解できない」
「手足がしびれたり、感覚が鈍る」「頭痛やめまいがする」
「ふらふらしたり、歩けなくなる」「左右の視野が半分欠けて見えなくなる」などの症状があります。
「くも膜下出血」で最も多い症状は突然の頭痛です。
中には軽い頭痛の人もいますが、ほとんどのケースでは激しい頭痛を伴います。
「ハンマーで殴られたような」と表現する人もいるほどです。
そのほか、意識障害、吐き気や嘔吐(おうと)なども挙げられます。
四肢まひ、半身まひになる人は少数です。
著者紹介
中込忠好(なかごみ・ただよし)
医師、帝京大学医学部教授
略歴
1949年生まれ。79年東京大学医学部卒。
東京大学医学部付属病院などの勤務を経て、
米国・バージニア大学脳神経外科に留学。
91年、帝京大学医学部脳神経外科学講座講師に就任する。
同大学助教授などを経て2001年から帝京大学医学部脳神経外科主任教授に。
日本脳神経外科学会認定専門医。専門は脳神経外科学や、くも膜下出血。
日本脳神経外科学会評議員。日本脳卒中学会評議員。
『脳出血・くも膜下出血はこうして防ぐ、治す』(講談社刊)
かつては死亡原因の第1位を占めていた「脳出血」。
高血圧のコントロールが行き届くようになり、この病気による死亡者数は著しく減少した。しかし、つらい後遺症に苦しむ人の数は少なくない。
特に「くも膜下出血」は予防が難しいうえ、発症すると致死率が高いことで恐れられている。『脳出血・くも膜下出血はこうして防ぐ、治す』(講談社刊)を監修した帝京大学教授の中込さんに、病気の原因や仕組み、発作時の対処法や予防法などについて聞いた。
脳の血管に異常が生じる病気を総称して「脳卒中」と呼びます。
脳卒中には、脳の血管が詰まってしまう脳梗塞(こうそく)と、血管が破れて出血してしまう「脳出血」や「くも膜下出血」があります。
同じ出血でも、脳の内部に出血する「脳出血」と、脳の表面に出血する「くも膜下出血」では、現れる症状はずいぶん違います。
「脳出血」は、脳のどこで出血したかによって様々な症状が現れます。
代表的な症状である「半身まひ」は、出血が右脳の場合は左半身に、
左脳の場合は右半身がまひします。
次に多い症状の「意識障害」では、本人が「もうろうとする」と感じるレベルから、意識を失ってしまうケースまで、出血量によって程度に差があります。
ほかにも、「ろれつが回らない」「言葉が浮かんでこない、理解できない」
「手足がしびれたり、感覚が鈍る」「頭痛やめまいがする」
「ふらふらしたり、歩けなくなる」「左右の視野が半分欠けて見えなくなる」などの症状があります。
「くも膜下出血」で最も多い症状は突然の頭痛です。
中には軽い頭痛の人もいますが、ほとんどのケースでは激しい頭痛を伴います。
「ハンマーで殴られたような」と表現する人もいるほどです。
そのほか、意識障害、吐き気や嘔吐(おうと)なども挙げられます。
四肢まひ、半身まひになる人は少数です。
著者紹介
中込忠好(なかごみ・ただよし)
医師、帝京大学医学部教授
略歴
1949年生まれ。79年東京大学医学部卒。
東京大学医学部付属病院などの勤務を経て、
米国・バージニア大学脳神経外科に留学。
91年、帝京大学医学部脳神経外科学講座講師に就任する。
同大学助教授などを経て2001年から帝京大学医学部脳神経外科主任教授に。
日本脳神経外科学会認定専門医。専門は脳神経外科学や、くも膜下出血。
日本脳神経外科学会評議員。日本脳卒中学会評議員。
『脳出血・くも膜下出血はこうして防ぐ、治す』(講談社刊)